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探究学習コラム

第21回 沖縄のどんぐりたち[〜好奇心の向かう先へ〜キュリオス沖縄]

仲間 信道 なかま のぶゆき

仲間 信道 なかま のぶゆき

沖縄生まれ沖縄育ち。好きな生き物は多足類(ムカデ、ヤスデ、ゲジなど)、昆虫、爬虫類など広く。専門はタマヤスデの分類。多趣味で、バイクいじり、古物収集、レコード鑑賞などが好き。琉球大学大学院農学研究科修了。修士(農学)。

手のひらにのせたアマミアラカシのどんぐり
Curious Okinawa 10th Anniversary

日本の秋の風物詩として有名などんぐり。ブナ科がつける堅い果実(堅果)の総称で、特にコナラ属に属する樹木の堅果を指す場合が多いです。硬くて程よい大きさで、艶もあり、形も様々で個性豊かなどんぐりは見ると拾わずにはいられなくなり、人々の心を惹きつけて止みません。筆者も子どものころに見たとなりのトトロで、メイちゃんが拾っていた大小様々などんぐりを見て憧れを抱いたものです。しかし、沖縄では街路樹や公園など身近にブナ科の木が植えられていることは少なく、沖縄の子どもたちはどんぐりという存在は知っていても拾った経験がある子は少ないです。中にはどんぐりは沖縄にはないと思っている方々もいると思います。幼少期の筆者もその一人だったので、憧れただけで拾ったことはありませんでした。でもご安心ください。沖縄にもどんぐりはあります!これから迎える秋に備えて、今回は沖縄のどんぐり達を紹介します。

沖縄本島には5種類のどんぐりの木があります。まず最も拾いやすいのがスダジイの亜種(変種とする場合もある)であるオキナワジイです。根が板状(板根)になることからイタジイという名で親しまれています。沖縄市北部以北の非石灰岩土壌の山地に生育し、特にやんばるの森では優占種となるので、登山道や林道沿いなどでも簡単に拾うことが出来ます。どんぐりは1cm程度で、楕円形をしています。その次に拾いやすいのはマテバシイです。こちらもスダジイと同様の地域に生えますが、尾根の近くなどを好むため、尾根を走る林道や登山道などで拾うことが多いです。どんぐりは2cm程度で、ややマットな質感をしています。ちなみに、この2種はアクが少なく生でも食べることができ、火を通すと香ばしくなってより美味しいです。

沖縄のどんぐりを語る上で外せないのはやはりオキナワウラジロガシです。本種のどんぐりは日本最大で、全長はなんと4cmに達します。沖縄市北部以北の非石灰岩土壌地に生育しますが、山地の谷沿いを好むため拾うのはやや難しいです。

大きなオキナワウラジロガシ
大きなオキナワウラジロガシ。写真は特に大きい西表島産。

一方、石灰岩地を好むどんぐりが1種だけ存在します。名前はアマミアラカシといい、オキナワウラジロガシよりは小さいものの、やや細長い3cmほどのどんぐりを付けてくれます。本島北部の大宜味村や宜野座村などにある石灰岩地域だけでなく、本島南部の一部にも生育しています。

手のひらにのせたアマミアラカシ
石灰岩地のどんぐりアマミアラカシ。先がとんがってるのでポケットに入れると刺さって痛い。

そして最も拾うのが難しい激レアどんぐりがウラジロガシです。ウラジロガシはやんばるの山の中にある沢の中流〜源流に生育し、オキナワウラジロガシよりも数が少なく、めったに見かけることはありません。どんぐりは濃い茶色で2cmほどの楕円形をしています。その他、伊是名島を分布の南限とするウバメガシというどんぐりもあります。本種は沖縄本島には本来生育しませんが、植栽された事例があり、有名なのは名護市許田にある巨木で市の天然記念物にもなっています。ちなみに、これら4種のカシ類のどんぐりにはタンニンが多く含まれており、特にオキナワウラジロガシは生で食べるとめっちゃくちゃ苦いです。

名札とともに並べた沖縄本島のどんぐり6種
沖縄本島のどんぐり6種。それぞれ形や大きさに個性がある。

沖縄本島に5種類(ウバメガシを入れると6種類)のどんぐりがあると知ってびっくりした方もいるのではないでしょうか。知ってしまった以上、きっと皆さん拾いたくてたまらなくなっているでしょう。どんぐりシーズンはもう目の前です。10月終わりぐらいにマテバシイが落ち始め、その後11〜12月に他のどんぐりも落ち始めます。いろいろな種類をいっぱい集めて形や大きさを比べるもよし、味を比べるもよし、アクセサリーにするもよし。この秋は是非どんぐり拾いを楽しんでください。

#キュリオス#CuriousOkinawa#どんぐり#自然観察#沖縄の植物

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